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傘もささずに。


小学校高学年くらいの女の子
学校からの帰り道
雨のなかを
傘もささずに歩いていく

その手に傘を持っているのに

なんとなく
濡れて行きたい気分だったのか
明日学校へいきたくなくて
風邪をひきたい気分だったのか
おかあさんを心配させたかったのか

すぼめた傘を振りながら
歩いていく後ろ姿に
ムスメを重ねた










夕暮れ時。

夕暮れ時、
薄暗くなっていく部屋の中で
暮れていく空を眺めるのが
好き。

外で見る夕日もいいけれど
照り返しのきれいなピンクが
青い空を染めていくのを感じながら
もういくらなんでも、というぎりぎりの時まで
灯りをつけずにいるのがいい。
灯りをつけたら、カーテンを閉めなくてはならないから。

これは 母に似たのかもしれない。

昔、夕方 学校から帰ると
母がいつも灯りもつけずに居間にいて
「おかえり」と出迎えてくれたっけ。

今でも 窓際で
空を眺めながら
洗濯物をたたむ母の姿が見えるような気がする。








JUGEMテーマ:エッセイ


おじさんと猫。

夕暮れ時、有楽町駅の前を通る。
行き交うたくさんのひとたち。
駅前のビルの前でおじさんが大声をあげている。

ふと見ると
おじさんに寄り添う
夜を切り取ったような黒い猫が
悠然とまわりを眺めていた。

思わず立ち止まり
おじさんと話したくなる。でもちょっと怖い。
なんとか思いとどまり
近くのファッションビルに入った。

ビルを出てきてからも気になって振り返ると
おじさんは猫の背中をやさしく撫でている。

猫は すり寄るでもなく 凛としている。

おじさんは まるで恋をしているかのように見えた。
「俺のツレ、素敵だろ?」







JUGEMテーマ:エッセイ


ひとりのじかん。



どうしても
ひとりのじかんが必要だ。
一日のうち、少しでもいいから
ひとりになりたい。

こどもの頃
友達と遊ぶのとおなじくらい
ひとりの時間が
好きだった。

ひとりになって
深呼吸
ちょっとリセットして

そしたら
みんなの輪のなかに
帰っていける。






JUGEMテーマ:つぶやき。


忍び寄る影。

お天気のいいランチタイム。

都心のきれいな新開発ビル。
緑地があり、くつろいだ人たちがたくさん。

ベンチでお弁当を広げる人たちの
後ろから忍び寄る、その影は・・・



猫。



歩いている人からは丸見えなのに、座っている人は全然気づいていない。
なにかおこぼれを頂こうと、
ベンチの下でじっと待っている、白黒の猫。
目が合って、

「しーっ、だまっててよ」

と猫の声が聞こえたような気がした。










JUGEMテーマ:エッセイ


ないものねだり。

自分に自信がもてなくて
落ち込んでいたら
お友達がメールをくれた。

ワタシがもっているものを
ひとつひとつ書きだしてくれた。
うらやましいと思っているわ、と。

涙が出た。

もちろんそれでもないものは欲しい。
華奢な身体
細い手足
植物的な雰囲気

自分をもう一度
ブランディングして見つめなおす時期に来たようだ。
そんな、曇り空のお誕生日。










JUGEMテーマ:日記・一般


かかと。

オットから、かかとを誉められた。
うらやましがられた。

『キミのかかとがオレにあったらな…』

扁平で幅広なかかと。

オットのかかとは
細くて
確かにスポーツ向きではない。
ムスメもオットに似て、華奢なかかとだ。

こっちがうらやましい。
交換できるものなら、いつでもしてあげる。

お手紙にはお手紙を。

ムスメが、手紙を見せてくれた。
凝った折り方をしてある小さな手紙。いつも遊んでいるお友達からのものだ。

他愛ないけれど、日頃仲良く遊んでいる関係が垣間見える可愛らしい手紙。

そういえば小学生のころ、友達とよくやりとりしていたっけ。

ムスメに、返事書きなさいよ、喜ぶよ。と告げる。
「ありがとね、って言った」と彼女は言うが、
やはりお手紙にはお手紙だ。
手渡された時の嬉しさは格別。







饒舌なサクラ。

夕暮れ時
ピンク色に染まった
桜の花びらたちが
みんなでお喋りの気配。

女の子がたくさん集まってるときのような
さざめきが聴こえてくる。

夜になっても、ほら。

朝になったら
普通の顔して咲いてるけど。







JUGEMテーマ:日記・一般


彼女の後ろ姿。

3月12日。
高校時代の同級生Mの誕生日だ。

卒業以来、いちどしか会っていない彼女の誕生日をいまだに覚えているそのわけは
誕生日がちょうど10カ月違いだから。

音楽の趣味が合い、一緒にバンドも組んでいた。
彼女はヴォーカル、自分はキーボード。
スポットライトの中で唄いながら独特な雰囲気を放つ彼女を
ななめ後ろからそっと見つめていたものだ。
その頃の自分はステージの中央に聴衆の視線を集めて立つなんて
絶対にできないと思い込んでいたから。
その数年後、自らヴォーカルをやることになるとは夢にも思ってなかった。

中性的なのに、手の動きがとてもたおやかなひとだった。
強がって見せているけれど、とても甘えん坊なひとだった。

その後バンドは解散し、彼女とも疎遠になった。

いちど、京都で結婚した共通の友人を訪ねて一緒に旅行をしたことがある。
それでも心底打ち解けることがないまま、
彼女は一度は別れた恋人と結婚し 今は横須賀に住んでいると
年賀状で知った。

彼女は元気にしているだろうか。
毎年この日になると、ステージに立つ彼女の後ろ姿を思い出す。




JUGEMテーマ:日記・一般


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