10年前の今頃 私は焦っていた。そして鬱々としていた。なぜなら誕生日を目の前にしていたから。歳を重ねること なによりも年代が上がることを受け入れられずにいた。人に会うのもイヤで わざわざ近所ではなく遠くのスーパーマーケットまで買い物に行ったりした。何を食べてもおいしくなかったし 景色はグレーに見えた。そんなある日 何の気なしにブログをはじめた。ネットを介して新たな友人ができたこともあり ずっと続けてきた。読み返してみるとその頃から夜中 急にいいしれぬ不安に襲われ眠れなくなったり 家族の言葉や行動にいちいち左右されていた様子が窺える。
そして10年が経過し あの年に小学校へ入学したムスメは この春 高校2年生になった。これまでには災害や病気や学校の問題をはじめ本当にいろんな出来事があった。精神的な面はほとんど変わっていないのに 身体的には確実に衰えを感じている。老眼もはじまり 肌のハリもなくなってきた。流れていく時の川をせきとめることはできない。この川が海へ出るまでに あとどれほどの時間が残されているのだろうか。将来の夢を語る季節は終わりを告げ 今のこの瞬間をどう生き 何を見 何を聴き 誰と過ごすのかが問題なのだ。
気になったものを簡単に見送るのはもうやめよう。「今度」は もうないのかもしれない。これからは自分のアンテナにひっかかり 気になったものに時間を費やすことが とても重要なことだと感じている。