こどものころ
学習雑誌の巻頭ページを見ながら
21世紀はどんな世の中になっているんだろうと思っていた。
車は空中を飛びまわり
電車は透明なチューブの中をジェットコースターみたいに走っていて
宇宙旅行はあたりまえになり、宇宙ステーションで暮らす人もいる。
材料を入れれば1分で料理が目の前に現れる。
SF映画のワンシーンのような空想図がそこには描かれていた。
そして。
21世紀に入り、はや7年。
携帯電話の普及率は驚異的で、
もはや小学生からお年寄りまで持っている。
インターネットも然り。
病気の治療法も飛躍的な発達をした。
でも車は宙を飛んではいないし、
宇宙旅行も一般的ではない。
なによりも不思議なのは
いまだにこれしか方法がない、というものがある。
それは「ワイパー」と「土のう」
この「原始的で頼れる」ものたち。
宇宙を往復するスペースシャトルにも、
40年前と較べて速度が格段に上がった新幹線にだってついている。
(ところで「新幹線」っていつまで「新幹線」なんだろう?次の交通機関ができるまで?(笑))
川があふれて水が押し寄せてきたら、
土のうを積むのが誰でもできる唯一の対策なのだ。
ちょっとトホホ、だけど愛すべき人類の叡智。
昔からあるもの、今でも残っているものは
やっぱりすごい!
なんだかうれしくなってしまうではないか。