春も夏も秋も冬も
あなたをずっとおもっている
笑いながらあるいていこう
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ほおずき。
散歩の途中で
ほおずきを見つけた。

こどもの頃、ほおずきが手に入ると

オレンジ色のカサカサいう
ぼんぼりをそうっと開いて
中の
線香花火みたいな まんまるの実を
少しずつ少しずつ もみほぐし
柔らかくなったら
そうっとそうっと 外す。

実の中の種をきれいに洗い流して

ぶぅっ

と 鳴らす。

いや、実は鳴らすことができない。
母に何度も教わったけれど、
結局鳴らせないままだ。

ほおずきを見ると
母の鳴らす

ぶぅっ

という音を思い出す。
年の瀬。
12月29日。
ここへきてやっと、年の瀬らしい気分になってきた。

新しい年を迎えるために、掃除用具や注連縄、鏡餅を買う人々。
街はなんとなく、年末らしい空気に満ちている。

家にいた頃は、年末と言えば母のお供をして、
本町へ買出しに行くのが恒例だった。
人々で賑わう本町通。活気に満ちている。
お茶、お菓子、かまぼこ、
最後に年越しそばを買って家路につく。

もう自分の家庭をもって10年以上たつというのに
年末といえば母と歩いた本町のざわめきが
今も耳に残る。

母のいない2回目の年の瀬。
まだたった2回目。
何回目になったら寂しくなくなるだろうか。






JUGEMテーマ:エッセイ


花火。どこから観ても。


子供のころ、
花火は
自分の方を向いて開いてくれるものだとばかり思ってた。

向日葵みたいに。

だから子供心に、心配してた。
「真横の方角に住んでいる人は
薄い光の線しか見えなくて、
可哀想だね」

と 母に言ったら


苦笑された。



球体、だったのね。

どどーん。








JUGEMテーマ:日記・一般
ねむくなる ねむくなる。
子供の頃は ひどく寝つきが悪かった。
布団に入る時刻は 午後9時。
しぶしぶ寝室に入っても、
妹とくすくす、ひそひそ。
ニュースが終わってドラマが始まったのに
ぜんぜん眠くならない。 
母に隣室から怒られても ごそごそ。

そのうち父がやってきて
大きなてのひらでまぶたをそっと撫でて
「だんだんねむくなる ねむくなる」と
ジュモンをかけてくれる。

するとほんとに ねむくなる。

その後 弟たちが成長するとともに
消灯時刻はどんどん遅くなっていくものだから
ずるい!と思ったっけ。

ムスメがなんだかエキサイトして
なかなか眠らない夜には
父のジュモンを試してみるのだ。




JUGEMテーマ:エッセイ


つめきり。
我が家に
ベビー用のつめきりがある。

ムスメがお腹にいるとき、都内へ行った際
銀座のソニープラザで買ってきたもの。
大きなお腹で歩き回って、
疲れきったのを覚えている。

小さいのに、引越しでもなくなることもなく、ずっとある。
もう11年たつのだと思うと
不思議な気がする。
爪が薄くて折れやすいワタシもたまに使っている。

最近、いよいよ壊れそうで、ちょっと心配だ。

JUGEMテーマ:つぶやき。


折り鶴。
思い出というにはまだ早すぎる気もするけれど。

母がホスピスに入院していた1か月ちょっとの間、
仕事が終わると毎日のように
車で片道40分かけて母に会いに通っていた。

夕食を終えると、話しかけたりいっしょにテレビをみたりしながら、
きょうだいへの連絡ノートを書いたあとは
病室にいる間 ずっとちいさな鶴を折り続けていた。
そうでもしないと、いてもたってもいられなかった。

そうやって折り続けた鶴がたくさんたまった。
さいごの日、棺に一緒に入れた。

あの鶴たちはきっと
旅立つ母を取り囲んで、守ってくれたに違いないと思う。


JUGEMテーマ:日記・一般


夏の朝の匂い。
夏といえば、合宿。
運動部には入っていなかったけれど、
小学校高学年の頃、
とある少年団活動で佐渡の民宿に泊まった。

自宅から海を隔てて
はじめての海外だ(笑)

キャンプファイヤーでは心細く、
遠くの漁火の灯を眺めてホームシックに。

翌朝、暑さで目が覚めて
嗅いだ夏の朝の匂い。
潮の香りと草いきれ。

毎回 食卓に並べられる
いかそうめんともずく酢。

普段から外泊する習慣がなかったせいか
自宅ではなく
「よそ様」で朝食をいただくというのは
なんとも非日常で不思議な体験であった。

夏の朝の匂いを嗅ぐと、
あの時のなんとも切ない気持を思い出す。
コーヒーゼリー。


甘くて
ほろ苦くて
夏の味がする。

もちろんプリンも好きだけど
コーヒーゼリー、大好き。

初めてのデート
喫茶店で食べたのは
パフェではなく
ちょっと背伸びして
コーヒーゼリーだった。

甘くて
ほろ苦くて
恋の味がした。
ゴールデンチョコレート。
golden-chocolate
小学校6年生くらいの時だった。
その日は何か用があって父について出かけたのだろう。
なんとなくおなかがすいてきて、たまたま近くにあったミスタードーナツへ入った。
ふたりでそういう店に入る機会はめったになかったから、うれしくてうれしくて何を食べたか憶えていない。

ただ、はっきりといまでも思い出せるのは
父が選んだゴールデンチョコレート。
自分はまず選ぶことのないドーナツだったので
金色のツブツブがまぶしく、大人に見えた。
実はけっこう甘いそれを少しわけてもらって、
父とのデートは終わった。

店は移転して
今はもうその場所にはない。
Ribbon in the Sky
Ribbon in the Sky

それは12年前のあの日
天に昇った父の軌跡。
待つあいだ頭の中にずっと流れていた曲。

すこし高くなった秋の空に
ひこうき雲を探す。

父は今頃
どの辺りにいるのだろう。